「みんな」に書くから読まれない。企業ブログの成果を上げる「ペルソナ設定」の教科書

前回の記事で、SEOやブログ運用を始める前には「4つの設計図」が絶対に必要だというお話をしました。

今回は、その土台の中でも最も重要であり、ブログの命運を分ける「ペルソナの絞り込み」について詳しく解説します。

ブログの土台についての記事を読んでいない場合は、先に下記をご覧いただいたほうが、今後の動きが何倍も良くなるはずです。

【結論】ブログが途中で崩壊する理由。SEOを始める前に「絶対にサボってはいけない」4つの設計図
SEOやブログ運用を始めようとするとき、多くの人が「どのツールを使えばいいか」「どんなキーワードで記事を書けばいいか」といった、目先のテクニックに飛びついてしまいがちです。しかし、少し辛口なことをお伝えすると、その手前にある「土台」が作りこ…

さて、企業ブログや店舗のホームページを運営されている方は、このように考えたくなりませんか?

「うちの商品は30代から50代の男女みんなに使ってほしいから、できるだけ幅広く、誰にでも役立つ記事を書くようにしよう」

お気持ちは痛いほど分かります。

せっかく書くなら、一人でも多くの人に読んでほしいですよね。
しかし、ここにあえて辛口でお伝えしなければなりません。

マーケティングの世界には、「みんなに届けたい文章は、誰の心にも刺さらない退屈な文章になる」という鉄則があります。

八方美人に書かれた記事は、読者にとってただの「教科書の1ページ」でしかなく、スクロールしてすぐに閉じられて終わりです。

この記事では、画面の前の読者が「これは、まさに私のために書かれた記事だ!」と震え、あなたの会社のファンになるような、実直なペルソナ設定の手順をロジカルに解説します。

【前提】そもそもブログのSEOにおける「ペルソナ」とは何か?

SEOにおけるペルソナ

「ターゲット」という言葉は聞き馴染みがあると思いますが、「ペルソナ」との決定的な違いをご存知でしょうか。

ここを混同していると、相手に刺さる文章は書けません。

ターゲットとは:
「30代・都内勤務・男性・営業職」といった、いわばモザイクがかかったような集団のデータです。

ペルソナとは:
その集団の中から、たった一人の具体的な人物を抜き出し、「名前、顔、1日のスケジュール、今夜ベッドの中で考えている一番の悩み」まで解像度を上げた「架空の顧客像」のことです。

SEOにおいて、なぜここまで一人の人間に絞り込む必要があるのでしょうか。

それは、現代の検索ユーザーは「一般的な正論」が知りたいのではなく「今、自分が直面しているこの苦しみを解決する方法」をピンポイントで探しているからです。

モザイクのかかった集団に向けて書かれた最大公約数の記事では、個人の深い悩みに応えることはできません。

たった一人に焦点を絞り込むからこそ、結果として同じ悩みを持つ何千人もの心に深く突き刺さる記事が生まれるのです。

なぜペルソナを設定しないとブログは「途中で崩壊」するのか?

ペルソナの設定を「面倒だから」とサボって見切り発車したブログには、例外なく次の3つの悲劇が訪れます。

1. 記事ごとに「誰に向けて書いているか」がブレる

先週の記事は「右も左も分からない初心者向け」に優しく書いていたのに、今週の記事は「専門用語が飛び交うプロ向け」の難しい内容になっている。

このように、サイト全体の軸がバラバラになると、読者は「このサイトは自分に関係があるのかないのか分からない」と感じ、二度と訪問してくれなくなります。

記事を書いている担当者が複数人いるとき、この問題はとくに出やすいです。

2. 社内やチームとの「良い記事」の基準がズレる

担当者様が「初心者の悩みを解決しよう」と一生懸命に書いた記事に対して、ペルソナを知らない仲間が「なんか内容が物足りないな。あれもこれも追記しよう」と口を出してくるケースです。

仲間の意見を無理に詰め込んだ結果、誰に向けたものか分からない、どっちつかずの「闇鍋のような記事」が出来上がってしまいます。

3. 読者が「自分ごと」として捉えてくれない

どれだけ正しいノウハウが書かれていても、ペルソナが不在の記事は「どこかの誰かが書いた一般論」に聞こえます。

読者はあなたや会社に親近感を抱くこともなければ、「ここに問い合わせをしてみよう」という行動を起こすこともありません。

【実務直結】失敗しない企業ブログのペルソナ設定・4つの手順

ペルソナを決める4つのステップ

ペルソナは、自分の勘や「こういう人がいてほしい」という妄想で作ってはいけません。

データと事実に裏付けられた、実直な作成ステップをお伝えします。

ステップ1:既存の「自社の一番良いお客様」を一人思い浮かべる

ゼロから架空の人物を作り出すのは困難な作業です。

最も失敗しないのは、すでに自社の商品やサービスを愛用してくれていて、関係性も良く、しっかり利益をもたらしてくれている「実在する最高の顧客」をそのままベースにすることです。
(※個人ブログであれば、過去の悩んでいた自分自身でも構いません)

ステップ2:そのお客様が「悩んでいたこと」を書き出す

自社の商品を購入する前、その人は夜も眠れないほど何に困っていたでしょうか。

どんなプレッシャーを感じ、どんな言葉で怒られ、悩んでいたか。

「その当時のお客様なら、検索窓にどんなキーワードを打ち込んでいただろうか」を、実直にノートに書き出していきます。

ステップ3:そのお客様の「日常の行動パターン」を把握する

その人は、いつブログを読むでしょうか。

平日の張り詰めた通勤電車の中でしょうか、それとも休日の夜、子どもが寝静まった後のリビングでしょうか。

それによって、文章のトーンや、記事を公開すべき最適なタイミングが見えてきます。

例えば、通勤時間帯の電車内で記事が読まれることを想定しているに、悪目立ちする画像を入れたらどうでしょう?

読んでいる本人が周りの目を気にした瞬間、開いていたページを閉じて終わりです。

ステップ4:ペルソナを「たった1枚のシート」に言語化する

集めた情報を、社内やチームで共有できるように1枚のシートにまとめます。

ここで最も大切な項目は、「この記事を読んだ後、その人にどんな感情になって、どんな行動をとってほしいか」までを明確に言葉にしておくことです。

【よくある罠】ペルソナ設定でやってはいけない3つのNG

ブログ担当者様が、ペルソナを作るときに陥りがちな「3つの罠」を先回りで解説します。

罠1:自社にとって都合のいい「理想の顧客像」を作ってしまう

「自社商品の価値を100%理解してくれて、価格に一切文句を言わずに即決してくれるお金持ち」といった、都合の良い人間を作ってはいけません。

現実の検索ユーザーは、もっと疑い深く、他社と比較し、予算にシビアです。

もっと言えば、頑張って作った文章だとしても、それを真剣には読んでくれません。

あくまで「リアルな人間味」を忘れないでください。

罠2:細かく設定しすぎて「誰もいない領域」になってしまう

「左利きで、毎朝チャイを飲み、〇〇市に住んでいる32歳の独身男性」など、ビジネスや商品の悩みの本質に関係のない細かいプロフィール作りにこだわりすぎるケースです。

条件を絞り込みすぎた結果、その悩みを抱えて検索する人が日本に5人しかいない、という状態になっては本末転倒です。

追うべきは「悩みの深さ」であり、不要なプロフィールの細かさではありません。

罠3:一度作ったペルソナを「見直さない」

ペルソナは一度作ったら終わりではありません。

実際の市場環境の変化や、ブログを運用していく中で「実際には想定と違うこういう悩みの人が多く集まっているな」とデータが見えてきたら、その都度、ペルソナの形をしなやかにアップデートしていくのが運用のリアルです。

【今すぐ使える】ブログ専用・ペルソナ設定テンプレート

この記事を読みっぱなしにせず、今日から社内やご自身のノートで書き込める簡易テンプレートを用意しました。

迷ったら、まずはこの4つの質問を埋めてみてください。

【基本情報】
年齢、職業、役職、大まかなライフスタイル

【直面している課題】
今、仕事や生活において、最もストレスや不安に感じている具体的なことは何か?

【情報収集の癖】
普段、何を使って調べているか。スマホ中心か、PC中心か。SNSを信頼しているか、Google検索か?

【ブログでのゴール】
この記事を読み終えたとき、どんな気持ちになり、次にどんなアクションをしてほしいか?

おわりに

ペルソナを設定するという作業は、大勢に向かって拡声器で叫ぶのをやめ、「たった一人の大切な人のために、手紙を書く作業」に似ています。

「あなたのために書きました」という熱量を持った手紙は、受け取った人の心を動かします。

そして、その一人の心に深く刺さった記事こそが、結果として同じ痛みを持つ何百、何千人もの検索ユーザーの心に届き、アクセスや問い合わせという「成果」になって会社に跳ね返ってくるのです。

もし、「自社の商品特性から考えて、どんなペルソナを設定すればブレずに集客できるのか分からない」「作ったペルソナが独りよがりになっていないか、客観的な壁打ち相手になって作戦を一緒に練ってほしい」という場合は、いつでもお気軽にご相談ください。

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